境内マップ

玄向寺の境内及び伽藍、仏像等をご紹介いたします。

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本堂・お堂

本堂

本堂・位牌堂・会館は、施工 大隅流社寺建築石田組(諏訪市)・施工協力 松本土建(株)によって建立され、昭和60年10月に落成慶讃法要を厳修しました。この建物は、2階部分に間口8間、奥行15間半の純木造の本堂と位牌堂、その下の1階部分に鉄筋コンクリート造の会館と重層建築になっています。

旧本堂

旧本堂は、昭和35年(1960)8月、当時の東京大学工学部長であった、工学博士藤島亥治郎先生の調査団に依頼して、5日間の調査の結果、旧本堂は室町時代の建立であることが判明いたしました。
創建当初は、間口5間半、奥行6間でしたが、後年南側の外縁を拡張し、さらに位牌堂を内陣裏側に造り、間口6間半、奥行8間となりました。
昭和59年(1984)、旧本堂の屋根の傷みが激しく、茅葺の屋根の改修工事が必要となり、大隅流寺社建築石田組によって行われました。この際、全部茅を手作業で取り除き、室町末期の外観を保つため、小屋組を復元し、銅版平葺にて、茅を葺いた形に復元改修いたしました。

仁王門

仁王門は、寺院を守護する金剛力士像を安置する門です。
当山の仁王門は、元禄10年(1697)の建立で、仁王像はこの門よりも古く、約500年前のものといわれております。

観音堂

観音堂は、慈悲の御心を持って、私たちのことを常に見守り、あらゆる悩みと苦しみを取り除き、安楽を与えてお救いくださる観音菩薩像を安置するお堂です。
当山の観音堂は、松本三十三番観音霊場の第31番霊場であり、元禄8年(1695)、松本城主水野忠直公が創建し、現在の場所に明治時代に再建されましたが、老朽化が激しかったため、平成18年(2006)~19年(2007)にかけて再建しました。
新観音堂は、設計 大隅流社寺建築石田組(諏訪市)、施工寺社建築(株)松本工務店(青森県三戸郡南部町)により、青森ヒバを用いて再建しました。
堂内には、中央にご本尊の千手観音菩薩像を御安置し、それを囲むようにして、二千体を超す観音菩薩像の化仏を御安置しています。

開運稲荷社

開運稲荷社は、当寺の鎮守様・守護神として、また開運のご神徳ある稲荷社として、当山の裏山である女鳥羽山中に御安置されてきました。
以前は、女鳥羽山中の高台にありましたが、雪害により建物が崩壊したため、参拝の便も考えて、観音堂の南隣に移し、観音堂とあわせて同時期に再建しました。
新開運稲荷社は、観音堂と同じく、設計 大隅流社寺建築石田組(諏訪市)、施工寺社建築(株)松本工務店(青森県三戸郡南部町)により、青森ヒバを用いて再建しました。
以前の場所には、歴史的な経緯もふまえて、白御影石の小さな祠を御安置してあります。

仏像・お像

御本尊 阿弥陀如来三尊像

当山の御本尊は、中央に阿弥陀如来像、向かって右に観音菩薩像、左に勢至菩薩像の三尊像を御安置する、阿弥陀如来三尊像です。
阿弥陀如来は阿弥陀仏ともいい、西方極楽浄土にいらっしゃる仏様で、観音菩薩様、勢至菩薩様は阿弥陀仏様をお助けする菩薩様です。 当山の御本尊 阿弥陀如来三尊像は江戸時代後期の作とされ、極楽浄土にて説法されている説法印のお姿です。

参道の石佛

当山の仁王門から観音堂に至るまでの参道脇には、左右に多くの石仏が並んでおります。仁王門をくぐると、右側(南側)に六地蔵尊と松本三十三番観音霊場の観音様の石像33体が立ち並んでおります。
山門の向かいである左側(北側)には、播隆上人石像と六字名号碑、それに百体観音石像が立ち並んでいます。

牛地蔵尊(うしぢぞうそん)

当寺の山門を入ると、すぐ左側に、柔和な御姿の牛地蔵尊と牛の像が祀られています。
この尊像の建立の所以は、昔、突然牛が境内へ逃げ隠れてまいりました。牛を追ってきた人に、時の住職であった立月(りゅうげつ)和尚は、「どこへ連れて行くのか」と尋ねたところ、「屠殺場へ連れて行く途中、牛に逃げられました」と答えました。
そこで立月和尚は、自分のかけていた袈裟を牛の首にかけて、「ここで殺せ」というと、飼い主はどうしても殺す気持ちになれず、立月和尚はその牛の代金を支払って、引き取り、寺で牛を飼うことにしました。
当時は、田畑を耕作するのに、牛馬の力が必要でしたので、近隣の農家の人たちは、寺の牛を交代で借りていって耕作し、夕方になると、牛は独りで寺へ帰ったと伝えられています。
ある時、立月和尚が病気を患い、危篤状態となって、弟子や近親者が枕辺に集まっていますと、不思議なことに、今まで元気で耕作し働いていたその牛が急に亡くなり、危篤であった立月和尚が元気となりました。その後、立月和尚は、自分の身代わりになってくれた牛の菩提を弔うために、慶應3年(1867)境内地へ建立したのが、この牛地蔵尊です。
とても温和な御顔が多くの信者を引きつけ、毎朝参拝する人があります。
(写真は、地蔵尊〈奥の紅い頭巾と前掛けを着けた御像〉と牛の像〈手前〉)